ブラジルレアルの今後を読み解く〜右派勝利の大統領選後〜

10月28日、ブラジルでは新しい大統領が誕生しました。
ブラジルのトランプ大統領とも揶揄される右派のボウソナロ氏が決戦投票を制したことが、日本のニュースでも取り上げられ話題となっていましたので、ご存知の方も多いでしょう。

今日は、政策金利が6.5%という高金利で、スワップポイント投資で人気があるブラジルレアルの今後を読み解いていきます。

ブラジル経済とは?

まずは、ブラジル経済の現況を解説します。

ブラジルは、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)と総称される今後の経済成長が期待できる国として2000年代から注目を集めていました。
経済成長が見込まれる要因としては、人口と資源の豊富さが挙げられます。
日本では、あまりイメージにないかもしれませんが、ブラジルは、世界有数の資源大国で、原油は自給できるほどの豊富にあります。その他、鉄鉱石生産量では世界2位、アルミニウムの輸出量世界1位と、様々な資源が潤沢にある国なのです。
また、人口も2億人を超えており、65%が40歳未満という今後の内需も高く推移することが見込まれています。

こうしたことから、ブラジル経済は今後も中長期的にみて成長が見込まれています。

ただし、あくまでも「中長期」。今後をみれば、成長が間違いなく期待できる市場であるものの、短期的には厳しい状況にあります。

ブラジルの利下げトレンドと為替

ブラジルは、今も高金利ではあるものの、ここ数年利下げトレンドにあります。一時は14%以上というかなり高い金利を誇っていましたが、2年ほどかけて、現在の6.5%まで落ち着いてきました。

ブラジルでは、不景気にかかわらずインフレ率が高いという状態が何年も続いていました。
景気が悪く雇用や賃金は増えていないのに物価だけが上がっているというブラジル国民にとってはかなり厳しい経済状況でしたが、最近は、インフレが落ち着き、金利の引き下げをしながらインフレ率は低下しています。

通常は、為替にネガティブな影響を与える利下げですが、ブラジルの利下げは「経済成長路線への復帰」という形でポジティブに捉えられています。

ブラジルの過去の為替変動

2008年のリーマンショックによりブラジルレアルも70~60円台から40円を割り込む下落となりましたが、その後、40〜50円台に戻して推移していました。
それが、2015年に経済の停滞と政治を巻き込んだ資源会社の汚職事件に端を発したものでした。元々の不況もあり、100万人規模の反政府デモも起こるような深刻な政治不安もあり、レアル安が進みました。
その後も、大統領の弾劾手続きが開始されたり、財政再建に積極的だった財務相の辞任があったりと、政局の不安定さが止まらないことや大の貿易相手国の中国の株安などもあり、レアル安は続きます。

2016年中盤は33円を基準にレンジ相場に戻り、さらにアメリカのトランプ大統領就任後、再び上昇トレンドに入りますが、2017年中盤、またも大統領の汚職問題が発覚し、再びレアル売りに転じることになります。
そして、2018年に入ると、新しい大統領選への不確実性やアルゼンチンの緊急利上げに伴う南米への不安感、ドルの利上げに伴い、高金利通貨の人気の低下などから、30円〜40円と下落基調でした。

この数年の動きを見ても分かるように、ブラジルレアルは、「政治不安」「貿易相手国の経済状況」「資源価格」リスクがつきまとう通貨です。
そのため、この大統領選が誰になるか(政局の安定と経済政策、構造改革がなされるか)はかなり重要なポイントでした。

そして、決まったボウソナロ大統領。今後のレアルはどうなっていくのでしょうか。

ボウソナロ氏に対し金融市場はポジティブな反応

事前の世論調査でもボウソナロ氏は優勢を保っていたため、選挙結果について市場はすでに予想をしていました。そのため、大きな値動きにはなりませんでしたが、概ねポジティブに受け止められています。
ボウソナロ大統領は、市場から信頼が厚いパウロ・ゲデス氏を経済顧問に起用しているため、経済政策についての市場期待が高まっているのです。
世論調査からボウソナロ氏の勝利可能性が高まるにつれて、金融市場は好反応をしめしていました。
そして、今、市場は大統領選の結果から、ブラジルの社会保障改革や政局安定に関心が移っています。
ブラジルが今後安定的な経済成長をしていくためには、社会保障の改革や財政再建が絶対的に必要だからです。

ブラジル経済という意味では、今後ポジティブな要素が沢山ありますし、ボウソナロ氏の経済改革にも期待が高まっています。

政策金利については、インフレ率が落ち着いていることから、据え置きが続いています。このまま、ボウソナロ大統領政権が落ち着けば、金融市場安定で金利の据え置きとなる可能性もありますが2019年中に8.0%までの利上げがあるのではともいわれています。

また、通貨価格という意味では、政権の安定が図れればという条件付きにはなりますが、このままレアルは年末に向けて上がる可能性大ともいわれています。
通貨としては、年末までの時期をみると、今はどちらかというと買いの時期とも言えるかもしれません。ただし、しばらく政権と金融市場を中止しながら取引するほうがよさそうですね。

まとめ

いかがでしたか。ブラジルレアルは、中長期的には間違いなく今後の値上がりが期待できる通貨です。そのため、長い目で見て運用するのであれば、まちがいなく買いでしょう。ただし、もう少し短期的な投資としてみるのであれば、不安要素の一つである政治の安定をここから果たして、政策を確実に実行できるかどうかが注目です。

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