スワップサヤ取り(アービトラージ)を徹底解説!仕組みや注意点とは?(6月8日更新)

「低リスクで、安定的に収益を稼ぎたい」というのは、ベテラン、初心者に関わらず投資家にとっての共通の願いです。

「低リスク+安定収益」を叶えるため、プロに運用を任せる投資信託や節税効果も期待できる不動産投資を考えたことがある人も多いのではないでしょうか。

しかし、投資信託は手数料が高く手元に残る利益が少ないことが多かったり、不動産投資には手間や資金が多くかかったりと、「低リスク」「安定収益」の両方を手にすることが一般的に難しいのが現実です。

そこで、今回ご紹介したい「低リスク+安定収益」を実現できる投資 方法は、FXで通貨間の金利差を利用して行う「スワップサヤ取り(アービトラージ)」です。

FXを自分で運用できるから見えない手数料もなく、情報を知ってさえいればできる方法なので、投資初心者の方でも簡単に利用できます!

というわけで、トルコリラ、南アフリカランドなどの高金利通貨を、異なるFX業者で取引することで、相場変動のリスクを抑えながら、 安定したスワップ収益を実現する方法をご紹介します。

スワップサヤ取りの仕組み

「スワップのサヤ取り」は2つのFX会社を利用します。

あるFX会社で高金利通貨を買い、別のFX会社で高金利通貨を売ることで、相場変動による損失が発生するリスクを回避しながら、スワップの差額を収益として得る方法です。

はじめに、相場変動により損失が発生しないことを確認します。「買い」と「売り」を同時に行う場合、相場が変動すると一方で損失が発生しますが、もう一方で同額の利益が発生するため損益が相殺されます。

豪ドル円のスワップのサヤ取り:
取引内容 損益 損益合計
A社 1万ドルの買い 豪ドル円が円安に
76円⇒77円(+1円)
1万円の利益 0円
B社 1万ドルの売り 1万円の損失

次に、スワップポイント(金利相当)を確認します。一般的には、高金利通貨を買うとスワップポイントを受取り、売るとスワップポイントを支払います。

FX業者のスワップポイント:
取引内容 スワップポイント 損益合計
みんなのFX
豪ドル円の取引
1万ドルの買い +40円 0円
1万ドルの売り -40円

同じ高金利通貨を買って売るだけですが、FX業者のスワップポイント差を利用して収益を上げることができます。

スワップアービトラージ-:
取引内容 スワップポイント 損益合計
みんなのFX 1万ドルの買い +40円 +10円
1万ドルの売り -40円
DMM FX 1万ドルの買い +30円
1万ドルの売り -30円

例えば、5月24日にみんなのFXで豪ドル円(AUDJPY、1万通貨)を買うと40円のスワップを受取り、DMM FXで同じ豪ドル円(AUDJPY、1万通貨)を売ると30円のスワップを支払います。

この結果、スワップポイントの差額 40円ー30円=10円 がサヤ取りの収益となり、その後は継続してスワップ収益を得ることができます。

同じ条件でスワップのサヤ取りを行うことが出来た場合、1年間で10円x365=3,650円の収益となります。

では、FX業者の高金利通貨(豪ドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソ)のスワップポイントを確認して、どの高金利通貨でどの程度の利回りが期待できるかを確認しましょう。

高金利通貨のスワップポイント一覧

FX業者による高金利通貨スワップポイント一覧(6月8日現在)

会社名 豪ドル
(1万通貨)
 トルコリラ
(1万通貨)
南アランド(10万通貨) メキシコペソ (10万通貨)
みんなのFX 30/-30 105/-105 150/-150 163/-163
Light FX 30/-30 105/-105 150/-150 163/-163
GMOクリック(FXネオ) 24/-25 80/-90 110/-110 なし
ヒロセ通商 30/-85 107/-192 150/-650 160/-370
アイネット証券 30/-42 115/-135 150/-230 170/-320
SBIFX 30/-32 82/-88 120/-130 なし
JFX 30/-85 なし 150/-650 なし
DMM FX 30/-30 なし 110/-110 なし
セントラル短資FX(5/22分) 27/-42 75/-95 70/-90 160/-160
FXプライムbyGMO 19/-34 80/-100 150/-250 120/-220
外為オンライン(店頭) 10/-45 90/-210 50/-300 60/-140

これら通貨をスワップの高い(赤)FX業者で買い安い(青)FX業者で売るスワップのサヤ取りによる収益を得ることができます。

例えば、南アランドでこの日最もスワップの高いみんなのFXで買い、スワップの安いセントラル短資FXで売りの場合、みんなのFXから150円の受取り、セントラル短資FXには90円の支払いとなり、合計で 150-90=60円 のスワップ収益となります。

それぞれの通貨について、最もスワップの高いFX業者で買い、安い FX業者で売る場合のスワップ差額と、同じ条件で1年間運用した場合の利回りは以下になります。

スワップサヤ取りの年間利回り一覧(6月8日時点)

豪ドル トルコリラ 南アランド メキシコペソ
スワップ差額 5 27 60 30
年間スワップ 1,825 9,855 21,900 10,950
証拠金*1 78,545 x 2 54,143 x 2 125,706 x 2 58,740 x 2
利回り(%) 1.2% 9.1% 8.7% 9.3%

(*1)それぞれの通貨の証拠金は「具体的な運用例」を参照してください。

例えば、南アランドでスワップのサヤ取りを行い、同じ条件で1年間運用をすることが出来た場合は、8.7%の利回りで運用することになります。

現在(2019年6月時点)は、トルコリラ、南アランドのスワップサヤ取りの利回りが高い状況です。

では、具体的にFX業者を利用したスワップサヤ取りの運用例を確認してみましょう。

具体的な運用例

豪ドルでスワップのサヤ取り

FX業者 証拠金
(10倍)
スプレッド
(円)
スワップ
/日
スワップ
/年
利回り
買い
(1万)
みんなのFX 78,545円 40円 30円 10,950円
売り
(1万)
GMOクリック 78,545円 70円 -25円 -9,125円
合計 157,090 110円 5円 1,825円 1.2%

豪ドル(AUDJPY)の買いスワップポイントが最も高いのは、「みんなのFX」、「Light FX」、「ヒロセ通商」、「アイネット証券」、「JFX」(+30円)でした。

前回5月26日の調査に引き続き、みんなのFXと Light FXが高いスワップポイントを付けています。どちらもトレイダーズ証券が運営するサービスで、同じ取引条件が提示されています。

前回の調査と比較すると、各社ともスワップポイントが(買い)が減少しています。みんなのFXは前回調査時の40ポイントから、今回は30ポイントに減少です。

みんなのFXのスプレッドは 0.4銭とFX業界で最も狭い水準で提供されているため、取引開始時のコストが低く(1万通貨あたり40円)、気軽に取引を始めることができます。


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豪ドルの(AUDJPY)の売りスワップポイントが高い(マイナスが少ない)のは、GMOクリック証券(-25円)でした。

前回の調査では、DMM証券が最も高いスワップポイントを付けていましたが、今回の調査ではGMOクリック証券との入れ替わりとなりました。

GMOクリック証券はFX業界の最大手で、取扱高が7年連続世界 No.1 (ファイナンス・マグネイト社調べ)です。

前回の調査と比較すると、各社ともスワップポイント(売り)がやや増加しています。GMOクリック証券は前回調査時の-32ポイントから、今回は-25ポイントに増加しています。ただし、買いスワップの減少により、スワップポイントのサヤ抜きは減少傾向です。

GMOクリック証券の豪ドルのスプレッドは0.7銭とFX業界でも狭い水準で提供されているため、取引開始時のコストが低く(1万通貨あたり70円)、気軽に取引を始めることができます。



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豪ドルのレバレッジは25倍(4%)、1万通貨取引する場合の最小証拠金は約31,500円(現在のレート=78.771)ですが、価格変動により ロスカットされないよう、余裕を持って運用する必要があります。

2014年以降(5年間)の豪ドルの相場変動を確認すると、1週間で6%以上変動したことが5回ありました。2016年6月のイギリス国民投票週の変動が最も大きく11.7%、続く7月にも7.0%の変動がありました。次いで2015年8月の世界同時株安週が10.1%、2019年1月の年明け第一週が9.9%、2016年11月のトランプショックで6.5%の変動がありました。

これらはの変動は、事前に予測可能な大きな政治または経済イベントによるものや、年末年始の取引の偏りによるものですが、これらを除くと豪ドル円の週次の変動は概ね6%以下でした。

豪ドルの運用は、週次の変動(6%)と、必要証拠金(4%)の合計で証拠金10%(レバレッジ10倍)での運用をおススメします。

残念ながら、今回の調査(6月7日実施)では、FX業者のスワップポイントの差が小さく(1万通貨あたり5円)、期待される年間の利回りは1.2%と低い水準です。

現時点では豪ドルのスワップのサヤ取りは利益が薄く、当面は様子見とするのが良さそうです。

トルコリラでスワップのサヤ取り

FX業者 証拠金 スプレッド
(円)
スワップ
/日
スワップ
/年
利回り
買い
(1万)
アイネット
証券
54,143円 700円 115円 41,975円
売り
(1万)
SBI FX 54,143円 480円 -88円 -32,120円
合計 108,286円 1,180円 27円 9,855円 9.1%

トルコリラ(TRYJPY)の買いスワップポイントが高いのは、「アイネット証券」(+115円)でした。

前回の調査では、外為オンラインが最も高いスワップポイントを付けていましたが、今回の調査ではアイネット証券と入れ替わりです。アイネット証券は、外為オンラインと同じISグループの会社です。

アイネット証券は、通貨ペア毎に必要となる取引証拠金を公表しています。トルコリラを1万通貨取引する場合の証拠金は7,500円、スプレッドは7.0銭です(6月7日時点)。他のFX業者と比較してスプレッドがやや広く、1万通貨あたりの取引コストは700円です。

「みんなのFX」、「Light FX」のトルコリラのスワップポイント(買い)は110円でした。前回調査時から5円下がりました。

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トルコリラ(TRYJPY)の売りスワップポイントが安いのは、「SBIFX」(-88円)、次は「GMOクリック証券」(-90円)でした。

前回の調査では、GMOクリック証券が最も高い(マイナスが少ない)スワップポイントを付けていましたが、今回はSBIFXとの入れ替わりです。SBIFXは、国内ネット証券最大手のSBI証券のグループ会社です。

SBIFXのトルコ円のレバレッジは25倍、1万通貨取引する場合の証拠金は約7,463円(現在のレート=18.657)です。スプレッドは4.8銭とやや広く、取引開始時のコストは1万通貨あたり480円です。

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トルコリラは大きく変動することがあるので、証拠金の管理には注意が必要です。

スワップのサヤ取りでは、一方のFX口座で買い、他方のFX口座で売りを行っているため、合計すると相場の変動による損益は通算されます。ただし、相場の変動により損失が発生しているFX口座で残高不足によるロスカット(強制決済)を避けるためには、利益が発生している口座から資金を移動する必要があります。

最近では3月22日にトランプ大統領のツイートをきっかけに大きく下落、当日最大で1円43銭(約7.1%)下落する局面がありました。

相場が大きく動いた場合でもロスカット(資金不足による、強制的な決済)されないよう、十分な証拠金で運用する必要があります。

2009年~2019年4月(10年4ヶ月)のトルコリラのデータ確認したところ、2018年8月に1週間で24.1%下落したのが過去最大の変動で、過去10年間では1週間に20%以上の変動が2回発生しています。

過去最大の下落(24.1%)でもロスカットされないように証拠金を設定すると、46,643円(25%下落分)+7,500円(必要証拠金、4%)=54,143円となります。これだけの証拠金があればすぐにロスカットされる可能性は少なく、余裕を持って資金を移動することが可能になります。

この場合、スワップサヤ取りの利回りは、9,855円 ÷ (54,143円 x 2社)=9.1%となります。

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南アフリカランドでスワップのサヤ取り

FX業者 証拠金 スプレッド
(円)
スワップ
/日
スワップ
/年
利回り
買い
(10万)
みんなのFX 125,706円 1,800円 +150円 +54,750円
売り
(10万)
セントラル 125,706円 900円 -90円 -32,850円
合計 251,412円 2,700円 +60円 +21,900円 8.7%

南アランド(南アフリカランド、ZARJPY)の買いスワップポイントが高いのは、「みんなのFX」、「Light FX」、「ヒロセ通商」、「JFX」(+150円)でした。         

南アランドの買いスワップポイントは、前回の調査時点(5月26日)から各社とも変わらず、「みんなのFX」「Light FX」などが高いスワップポイントを付けています。

「みんなのFX」のHPでスワップポイント(買い)を確認すると、3月29日(金)以降は、1日あたり150円(10万通貨)とほぼ変動が無く、スワップのサヤ取りを安定して運用することが出来そうです。

スプレッドは1.8銭(10万通貨あたり1,800円)です。


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南アランドの売りスワップが高いのは「セントラル短資FX」(-90円)でした。

前回の調査に引き続き、セントラル短資FXが最も高い(マイナスが少ない)スワップポイントを付けていました。ただし、今回は-90円と前回の-80円からスワップポイントが10円(ポイント)悪化しています。

セントラル短資FXは、スワップポイントに定評のある老舗のFX業者です。スワップポイント(売り)を確認すると、4月から5月末までは1日あたりのスワップポイントが-80円(10万通貨あたり)、5月31日以降は-90円と比較的安定しています。スワップのサヤ取りを安定して運用することが出来そうです。

南アランドを10万通貨取引する場合の証拠金は約30,848円(現在のレート=7.712)。スプレッドは0.9銭とFX業界で最も狭い水準で提供されているため、取引開始時のコストを抑える(10万通貨あたり900円)ことができます。


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2014年~2019年4月(5年4ヶ月)の南アランドのデータ確認すると、最大の変動は2016年6月第3週(英ブレグジットの国民投票)で1週間で15.3%下落、次は2015年12月第2週(南アフリカで大統領が財務相更迭)で1週間に12.3%下落しています。

英ブレグジットの国民投票は、事前に日程が決まっていたため回避することは可能でしたが、突発的なイベントには事前に対応出来ません。2015年12月第2週の下落でもロスカットされないように証拠金を設定すると、94,858円(12.3%下落分)+30,848円(必要証拠金、4%)=125,706円となり、スワップサヤ取りの利回りは、21,900円 ÷ (125,706円 x 2社)=8.7%になります。

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メキシコペソでスワップのサヤ取り

FX業者 証拠金 スプレッド
(円)
スワップ
/日
スワップ
/年
利回り
買い
(10万)
みんなの
FX
58,970円 1,800円 163円 59,495円 100.9%
売り
(10万)
セントラル 58,970円 400円 -160円 -58,400円
合計 117,940円 2,200円 3円 1,095円 0.9%

メキシコペソの買いスワップポイントが最も高いのは「アイネット」(+170円)、次いで「みんなのFX」(163円)でした。

前回(5月26日)の調査では、「みんなのFX」が最も高いスワップポイント(161円)を付けていましたが、今回はアイネット証券との入れ替わりになりました。残念ながらアイネット証券はスプレッドが広く(7.0 Pips)、10万通貨あたりの手数料が 7,000円となるためスワップサヤ取りの運用は難しいです。ここでは、みんなのFXについて説明します。

みんなのFXのHPでスワップポイント(買い)を確認すると、4月から5月8日までは1日あたりのスワップポイントが15.5円(1万通貨あたり)、9日以降は16.1円とと変動が少なく、スワップのサヤ取りを安定して運用することが出来そうです。また、5月30日以降は、16.3円とさらに良くなっています。

メキシコペソのレバレッジは25倍、10万通貨取引する場合の証拠金は約58,970円(現在レート=5.897、レバレッジ10倍)、スプレッドは1.8銭(10万通貨あたり1,800円)です。


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メキシコペソの売りスワップポイントが最も安いのは「外為オンライン」(-140円)、次いで「セントラル短資FX」(160円)でした。

前回(5月26日)の調査に引き続き、外為オンラインが最も高い(マイナスが少ない)スワップポイントと付けています。残念ながら外為オンラインはスプレッドが広く(6.0 Pips)、10万通貨取引の手数料が6,000円となるため、スワップサヤ取りの運用が難しいです。

セントラル短資FXを利用すると、スプレッドは狭い(0.4 Pips)ですが、スワップのサヤが小さく(3円)、安定した収益を得ることは難しいようです。

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現時点でのメキシコペソのスワップのスプレッドコスト(手数料相当)が割高で、サヤが小さいことから、安定した利益を出すことは難しいようです。当面は様子見とするのが良さそうです。

一方で、スワップの利回りそのものはとても高い水準です。買いスワップの年利は100%を超えるため、メキシコペソの価格が割安となった段階でポジションを保有することも考えられます。ただし、メキシコペソを保有することにより、価格変動のリスクがあることには注意が必要です。

運用上の3つの注意点

ここからは運用上発生する3つの注意点について解説していきます。

取引時にはスプレッドによるコストが発生します

スワップサヤ取りの運用のために取引を行うときには、FX業者のスプレッド(売買の価格差)によるコストが発生します。

例えば、みんなのFXで豪ドルを「買う」価格と「売る」価格は異なり、これをスプレッドコスト(手数料相当)と言います。スワップのサヤ取りでは、2社のFX業者で取引を行うため、初期コストとして2社分のスプレッドコストが発生します。

みんなのFXのスプレッドコスト(手数料相当)は 40円(0.4 pips)、DMMFXのスプレッドコストは 70円(0.7 pips)で、合計(40+70)=110円のコストが発生します。1日あたりのスワップのサヤが10円の場合、運用開始から利益が出るまでは、110÷ 10= 11 と、11日間かかります。

スワップのサヤ取りで、12日目から1日あたり10円の利益が出ますが、10日以下で運用を中止した場合は、マイナスが発生します。

スワップのサヤ取りを開始するときには、FX業者のスプレッドコスト、初期コストの回収期間をしっかりと確認しましょう。

スワップポイントの変動に注意

スワップポイントは固定されたものではありません。FX取引市場やFX業者の状況により大きく変動する可能性があります。

スワップポイントが変動すると、期待する利回りが大きく変動します。状況によってはFX業者の変更や運用を中止することが必要となります。

例えば、アイネット証券のトルコリラのスワップポイント(買い)を確認すると、5月1日~9日までが120円、10日~13日が115円、14日~16日が110円、17日以降(~24日)が115円となっています。だいたい115円近辺で推移していますが、スワップポイントが頻繁に変更されていることがわかります。

トルコリラのスワップポイントが5円変動すると、年間損益が1,825円、年間利回りは1.6%変動します。このようにスワップポイントの変動は、運用利回りに大きな影響があります。

FX業者を変更するとスプレッドコスト(手数料相当)が発生することから、あまり頻繁にFX業者を変更することはおススメできません。スワップのサヤ抜きの運用は、なるべく安定したスワップポイントを提供するFX業者を選び、中長期的に安定して運用することをおススメします。

価格の変動などによるロスカットに注意

スワップサヤ取りでは、一方のFX業者で買い、もう一方のFX業者で売るため、相場変動による損失が利益と相殺され、全体でみると価格の変動による損得はありません。

ただし、損失が発生している口座で証拠金不足によりロスカット(強制決済)される可能性があります。

豪ドル円の相場変動によりロスカットとなる場合:
取引内容 損益 損益合計 口座の状況
A社 1万ドル
買い
豪ドル円が円安に
76円⇒80.5円
(+4.5円)
4.5万円の
利益
0円

利益による
余裕資金
B社 1万ドル
売り
4.5万円の
損失
証拠金不足により
ロスカット

豪ドル円をレバレッジ10倍で運用する場合、およそ4.5円相場が変動すると、損失が発生している口座(B社の口座)でロスカットが発生し、保有していた「1万ドル売り」ポジションが強制的に決済されます。

ロスカットを回避し、スワップサヤ取りを継続するためには、利益が出ている口座(A社の口座)から、損失が発生している口座に資金を移動する必要がありますのでご注意ください。

まとめ

スワップのサヤ取りは、FX業者の高金利通貨のスワップポイント差に注目してサヤを取ることで、安定した収益を狙う取引手法です。相場の変動によるリスクはほぼありません。

現時点(2019年6月8日)では、トルコリラ、南アフリカランドのスワップサヤ取りで、高い利回り(5%超)が期待できます。トルコリラの運用は、「アイネット証券」と「SBIFX」、南アフリカランドは、「みんなのFX」と「セントラル短資FX」の組み合わせで運用するのがおススメです。

注意点は、取引時にはスプレッドコスト(手数料相当)が発生すること、スワップポイントが大きく変動した場合には、運用を見直す必要があることです。

また、ロスカットが発生しないよう、定期的に口座の状況を確認する必要があります。状況に応じて、利益が発生している口座から、損失が発生している口座に資金を移動してください。

高金利通貨では業者によりスワップポイントが大きく異なる傾向があります。スワップのサヤ取りを安定して運用することが出来れば、高い利回りを獲得することが出来ます。

少し手間はかかりますが、スワップのサヤ取りにぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

浦島伸一郎 ジーフィット代表 Twitter: @shin_urashima
直近はシストレ(MT4)運用サービス(https://systrade-cloud.com/)の運営と、シストレロジックの開発などやっています。以前は(1999年~2016年頃まで)金融機関でネット証券サービス、証券決済サービス、債券PTS(米国債、欧州債、日本国債)、FX(外国為替証拠金取引)システムの開発などを行っていました。これまでの経験を生かして、個人の皆様の投資・資産運用をサポートするシステムサービスの提供を目指しています。