スワップサヤ取り(アービトラージ)を徹底解説!仕組みや注意点とは?(5月19日更新)

「低リスクで、安定的に収益を稼ぎたい」というのは、ベテラン、初心者に関わらず投資家にとっての共通の願いですよね。

「低リスク+安定収益」を叶えるため、プロに運用を任せる投資信託や節税効果も期待できる不動産投資を考えたことがある人も多いのではないでしょうか。

しかし、投資信託は手数料が高く手元に残る利益が少ないことが多かったり、不動産投資には手間や資金が多くかかったりと、「低リスク」「安定収益」の両方を手にすることが一般的に難しいのが現実です。

そこで、今回ご紹介したい「低リスク+安定収益」を実現できる投資 方法は、FXで通貨間の金利差を利用して行う「スワップサヤ取り(アービトラージ)」です。

FXなので自分で運用できるから手数料も必要ありませんし、情報を知ってさえいればできる方法なので、投資初心者の方でも簡単に行っていただけます!

というわけで、トルコリラ、南アフリカランドなどの高金利通貨を、異なるFX業者で取引することで、相場変動のリスクを抑えながら、 安定したスワップ収益を実現する方法をご紹介します。

スワップサヤ取りの仕組み

「スワップのサヤ取り」は2つのFX会社を利用します。

1社で高金利通貨を買い、もう1社で高金利通貨を売ることで、通貨の価格変動による損失が発生するリスクを回避しながら、スワップの差額を収益として得る方法です。

一般的には、高金利通貨を買うとスワップポイントを受取り、逆に、 売却するとスワップポイントを支払います。

同じ高金利通貨を買って売るので通常であれば何もしていないのと同じですが、FX業者のスワップポイント差を利用して収益を上げることができます。

例えば、5月17日にみんなのFXでトルコリラ(TRYJPY、1万通貨)を買うと110円のスワップを受取り、セントラル短資FXで同じトルコリラ(TRJPY、1万通貨)を売ると80円のスワップを支払います。

この結果、スワップポイントの差額 110円ー80円=30円 がサヤ取りの収益となります。

一度取引を行うと、その後は継続してスワップ収益を得ることができ ます。

仮に、同じ条件でスワップのサヤ取りを行うことが出来た場合、1年間で30円x365=10,950円の収益となります。

では、FX業者の高金利通貨(豪ドル、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソ)のスワップポイントの一覧を確認して、どの高金利通貨でどの程度の利回りが期待できるかを確認しましょう。

高金利通貨のスワップポイント一覧

FX業者による高金利通貨スワップポイント一覧(5月19日時点)

会社名 豪ドル(1万通貨)
 トルコリラ (1万通貨) 南アランド(10万通貨) メキシコペソ (10万通貨)
みんなのFX 45/-45 110/-110 150/-150 161/-161
Light FX 45/-45 110/-110 150/-150 161/-161
GMOクリック(FXネオ) 31/-32 84/-94 110/-110 なし
ヒロセ通商 34/-89 113/-198 150/-650 180/-380
アイネット証券 33/-45 110/-130 150/-230 160/-310
SBIFX 33/-35 87/-93 130/-140 なし
JFX 34/-89 なし 150/-650 なし
DMM FX 30/-30 なし 110/-110 なし
インヴァスト証券(トライオート) 30/-42 なし 80/-170 なし
セントラル短資FX 30/-45 75/-80 80/-80 160/-160
FXプライムbyGMO 25/-40 80/-100 150/-250 150/-250
外為オンライン(店頭) 15/-50 115/-250 50/-300 60/-140

これら通貨について、スワップの高い(赤)FX業者で買い安い(青)FX業者で売ることで、スワップサヤ取りによる収益を得ることができます。

例えば、トルコリラでこの日最もスワップの高いアイネット証券で  買い、セントラル短資FXで売りの場合、アイネット証券からは115円の受取り、セントラル短資FXには80円の支払いとなり、合計で 110-80=30円 のスワップ収益となります。

それぞれの通貨について、最もスワップの高いFX業者で買い、安い FX業者で売る場合のスワップ差額と、同じ条件で1年間運用した場合の利回りは以下になります。

スワップサヤ取りの年間利回り一覧(5月19日時点)

豪ドル トルコリラ 南アランド メキシコペソ
スワップ差額 15 30 70 21
年間スワップ 5,475 10,950 25,550 7,665
証拠金*1 78,545 x 2 54,143 x 2 154,240 x 2 58,740 x 2
利回り(%) 3.4% 10.1% 8.2% 6.5%

(*1)それぞれの通貨の証拠金は「具体的な運用例」を参照してください。

例えば、トルコリラでスワップのサヤ取りを行い、同じ条件で1年間運用をすることが出来た場合は、10.1%の利回りで運用することになります。

現在(2019年5月時点)は、トルコリラ、南アランドのスワップサヤ取りの利回りが高い状況です。

では、具体的にFX業者を利用したスワップサヤ取りの運用例を確認してみましょう。

具体的な運用例

豪ドルでスワップのサヤ取り

FX業者 証拠金(10倍) スワップ/日 スワップ/年 利回り
買い(1万) みんなのFX 78,545円 45円 16,425円
売り(1万) DMM FX 78,545円 -30円 -10,950円
合計 157,090 15円 5,475円 3.4%

豪ドル(AUDJPY)の買いスワップポイントが最も高いのは、「みんなのFX」と「Light FX」(+45円)でした。

みんなのFXと Light FX は、どちらもトレイダーズ証券が運営していますので、同じ取引条件となっているようです。

みんなのFXのスワップポイントをHPで確認すると、5月6日(月)以降は継続して1日あたり45円のスワップポイント(買い)が付与されています。

日々のスワップポイントの変動が無く、スワップのサヤ取りを安定的に運用することが出来そうです。

また、スプレッドが 0.6銭とFX業界で最も狭い水準で提供されているため、取引開始時のコストが低く(1万通貨あたり60円)、気軽に取引を始めることができます。


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豪ドルの(AUDJPY)の売りスワップポイントが安いのは、DMM FX(-30円)でした。

DMM FXはFX業界大手の1社で、2019年1月末時点で口座数が国内 No.1 (ファイナンス・マグネイト社調べ)となっています。

DMM FXのHPでスワップポイント(売り)を確認すると、4月から5月14日まで-32円、5月15日以降は-30円となっています。変動が少なく、スワップのサヤ取りを安定的に運用することが出来そうです。

スプレッドは0.7銭とFX業界でも狭い水準で提供されているため、取引開始時のコストが低く(1万通貨あたり70円)、気軽に取引を始める ことができます。



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豪ドルのレバレッジは25倍(4%)、1万通貨取引する場合の最小証拠金は約31,500円(現在のレート=78.771)ですが、価格変動により ロスカットされないよう、余裕を持って運用する必要があります。

豪ドルの場合、レバレッジ10倍(10%)での運用をおススメします。

残念ながら、今回の調査(5月17日実施)では、FX業者のスワップポイントの差が小さく(1万通貨あたり15円)、期待される年間の利回りは3.4%と低い水準です。

現時点での豪ドルのスワップのサヤ取りは利益が薄く、当面は様子見とするのが良さそうです。

トルコリラでスワップのサヤ取り

FX業者 証拠金(*倍) スワップ/日 スワップ/年 利回り
買い(1万) みんなのFX 54,143円 110円 40,150円
売り(1万) セントラル 54,143円 -80円 -29,200円
合計 108,286円 30円 10,950円 10.1%

トルコリラ(TRYJPY)の買いスワップポイントが高いのは、「アイネット証券」(+110円)と、「みんなのFX」、「Light FX」、「ヒロセ通商」(+110円)でした。

アイネット証券は、外為オンラインと同じISグループの会社です。HPでトルコリラのスワップポイント(買い)を確認すると、4月~5月9日は120円、5月13日以降は115円、110円とスワップが縮小しています。

アイネット証券では、多くのFX業者が利用する証拠金計算とは異なり、通貨ペア毎に必要となる取引証拠金を公表しています。

トルコリラを1万通貨取引する場合の証拠金は7,500円、スプレッドは7.0銭です(4月27日時点)。他のFX業者と比較して、スプレッドがやや広くなっています。

「みんなのFX」、「Light FX」は豪ドルの説明と同様、どちらもトレーダーズ証券が運営しているため同じ取引条件となっているようです。

みんなのFXのHPでトルコリラのスワップポイント(買い)を確認すると、4月22日以降は110円で変動が無く、スワップのサヤ取りを安定して運用することが出来そうです。

トルコリラのレバレッジは25倍(1万通貨あたり証拠金が約7,457円)、スプレッドは1.7銭です。スプレッドがFX業界でも狭い水準で提供されているため、取引開始時のコストが低く(1万通貨あたり170円)、気軽に取引を始めることができます。


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トルコリラ(TRYJPY)の売りスワップポイントが安いのは、「セントラル短資FX」(-80円)でした。

セントラル短資FXは、スワップポイントに定評のある老舗のFX業者です。

セントラル短資FXのHPでトルコリラ(売り)のスワップポイントを確認すると、4月5日~5月7日は-85円。5月8日以降は-80円と変動が少なく、安定してスワップのサヤ取りを運用することができそうです。

トルコ円のレバレッジは25倍、1万通貨取引する場合の証拠金は約7,463円(現在のレート=18.657)。

スプレッドは1.7銭とFX業界でも狭い水準で提供されているため、取引開始時のコストが低く(1万通貨あたり170円)、気軽に取引を始めることができます。

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トルコリラは大きく変動することがありますので、証拠金の管理には 注意が必要です。

最近では3月22日にトランプ大統領のツイートをきっかけに大きく下落、当日最大で1円43銭(約7.1%)下落する局面がありました。

このように相場が大きく動いた場合でもロスカットされないよう、十分な証拠金で運用する必要があります。

2009年~2019年4月(10年4ヶ月)のトルコリラのデータ確認したところ、2018年8月に1週間で24.1%下落したのが過去最大の変動でした。

過去10年間では1週間に20%以上の変動が2回発生していました。

過去最大の下落(24.1%)でもロスカットされないように証拠金を設定すると、46,643円(25%下落分)+7,500円(必要証拠金、4%)=54,143円となり、スワップサヤ取りの利回りは、10,950円 ÷ (54,143円 x 2社)=10.1%となります。

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南アランドでスワップのサヤ取り

FX業者 証拠金 スワップ/日 スワップ/年 利回り
買い(10万) みんなのFX 154,240円 +150円 +54,750円
売り(10万) セントラル 154,240円 -80円 -29,200円
+70円 +25,550円 8.2%

南アランド(ZARJPY)の買いスワップポイントが高いのは、「みんなのFX」、「Light FX」、「ヒロセ通商」、「アイネット証券」、「JFX」(+150円)でした。         

この中から、安定したスワップポイントを提供している「みんなのFX」をおススメします。

「みんなのFX」のHPでスワップポイント(買い)を確認すると、3月29日(金)以降は、1日あたり150円(10万通貨)とほぼ変動が無く、スワップのサヤ取りを安定して運用することが出来そうです。

また、スプレッドが1.8銭とFX業界で狭い水準で取引出来ることから、取引開始時のコストを抑えることができます。(10万通貨あたり1,800円)


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南アランドの売りスワップが安いのは「セントラル短資FX」(-80円)でした。

セントラル短資FXは、スワップポイントに定評のある老舗のFX業者です。HPでスワップポイント(売り)を確認すると、4月以降は1日あたりのスワップポイントが-80円(10万通貨あたり)で変動が無く、スワップのサヤ取りを安定して運用することが出来そうです。

南アランドを10万通貨取引する場合の証拠金は約30,848円(現在のレート=7.712)。スプレッドは0.9銭とFX業界で最も狭い水準で提供されているため、取引開始時のコストを抑える(10万通貨あたり900円)ことができます。


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2009年~2019年4月(10年4ヶ月)のトルコリラのデータ確認すると、2016年6月(ブレグジットの国民投票)に1週間で15.3%下落したのが過去最大の変動でした。

過去最大の下落(15.3%)でもロスカットされないように証拠金を設定すると、154,240円(16%下落分)+30,848円(必要証拠金、4%)=154,240円となり、スワップサヤ取りの利回りは、25,550円 ÷ (154,240円 x 2社)=8.2%となります。

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メキシコペソでスワップのサヤ取り

FX業者 証拠金 スワップ/日 スワップ/年 利回り
買い(10万) みんなのFX 58,970円 161円 58,765円
売り(10万) 外為オン 58,970円 -140円 51,100円
117,940 21円 7,665円 6.5%

メキシコペソの買いスワップポイントが最も高いのは「みんなのFX」と「Light FX」(+161円)でした。

みんなのFXのHPでスワップポイント(買い)を確認すると、4月から5月8日までは1日あたりのスワップポイントが15.5円(1万通貨あたり)、9日以降は16.1円とと変動が少なく、スワップのサヤ取りを安定して運用することが出来そうです。

メキシコペソのレバレッジは25倍、10万通貨取引する場合の証拠金は約58,970円(現在レート=5.897、レバレッジ10倍)です。

スプレッドは1.8銭とFX業界でやや広いようです。取引開始時のコスト(10万通貨あたり1,800円)です。


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メキシコペソの売りスワップポイントが最も安いのは「外為オンライン」(-140円)でした。

外為オンラインのHPでスワップポイント(売り)を確認すると、当日のスワップポイントのみ公表されているため、過去の実績を確認することができませんでした。

メキシコペソのスプレッドポイントの差が徐々に拡大しているため、5%を超える利回りを確保することが可能ですが、スワップポイントの推移に注意しながら運用することをおすすめします。

運用上の3つの注意点

ここからは運用上発生する3つの注意点について解説していきます。

取引時にはスプレッドによるコストが発生します

スワップサヤ取りの運用のために取引を行うときには、FX業者のスプレッド(売買の価格差)によるコストが発生します。

例えば、セントラル短資FXで南アフリカランドを買う場合の価格と、GMOクリック証券で南アフリカランドを売る場合の価格は異なります。

GMOクリック証券のスプレッドコストは 100円(1 pips)、セントラル短資FXのスプレッドコストは 120円(1.2 pips)です。1日あたりのスワップのサヤが40円の場合は、運用開始から実際に利益が出るまでは、(100+120)÷ 40= 5.5 で1週間程度かかります。

スワップポイントの変動に注意

スワップポイントは固定されたものではありません。FX取引市場やFX業者の状況により大きく変動する可能性があります。

スワップポイントが変動する場合は、FX業者の変更や運用を中止することが必要となりますのでご注意ください。

価格の変動などによるロスカットに注意

スワップサヤ取りでは、一方のFX業者で買い、もう一方のFX業者で売るため、相場変動による損失が利益と相殺され、全体でみると価格の変動による損得はありません。

ただし、損失が発生している口座で証拠金不足によりロスカット(強制決済)される可能性があります。

ロスカットを回避するため、利益が出ている口座から、損失が発生している口座に資金を移動する必要がありますのでご注意ください。

まとめ

スワップのサヤ取りでは、FX業者によりスワップポイントに差があることを狙う取引の手法です。

相場の変動によるリスクはほぼありません。

運用開始当初はスプレッドコストが発生すること、スワップポイントが大きく変動した場合には、運用を見直すことなどが必要になることがあります。

また、ロスカットが発生しないよう、定期的に口座の状況を確認する必要があります。必要に応じて、利益が発生している口座から、損失が発生している口座に資金を移動してください。

高金利通貨では業者によりスワップポイントが大きく異なる傾向があります。スワップのサヤ取りを安定して運用することが出来れば、高い利回りを獲得する場合もあります。