トランプ弾劾!?アメリカ中間選挙からみる為替への影響

11月のアメリカ中間選挙が迫り、選挙戦は本格化していますが、選挙戦は、「トランプ弾劾」がリアリティを帯びる展開となってきています。

春先には、下院では共和党優勢と言われていましたが、ここに来て下院でも民主党優勢で議席を奪うという予想がされています。
そのため、民主党が上院での過半数を奪い返せるかどうかが、今後のトランプ政権の行方を握っているといえるでしょう。

<こちらの記事:追い詰められる?!トランプ大統領のロシア疑惑と為替への影響>でも書いたように、大統領側近の有罪逮捕を契機として、「弾劾」という言葉が、最近では頻繁に使われるようになっています。

民主党の議員の多くは、公約に「大統領弾劾」という言葉を掲げていますし、実際、下院で過半数を奪われると、大統領を罷免する弾劾裁判の起訴ができるため、トランプ自身も「弾劾」への危機感を感じている発言が増えています。かなり深刻な事態といえるでしょう。

そんな中、ジョン・マケイン議員の葬儀では、出席を自粛するよう要請されたトランプ大統領の「不在」が際立ちました。アメリカ政治界に絶大なるパワーを持ち、国民からの信頼感も熱かった故マケイン議員の葬儀に他の政府高官は出席しているのに、トランプ大統領が不在だということは、中央政界における「存在感のなさ」を全米に印象付け、支持率も、40%まで急落しています。

現在の為替の値動き

まず米国経済全体を見てみると、GDP成長、雇用の拡大が続いていて、続いており、非常に好調です。
また、長期金利上昇傾向にあることから、ドル円上昇要因は充分なのですが、ドル円相場は110円前後のレンジ相場が長く続き伸び悩んでいるのが実状です。

理由としては、トランプ大統領の中間選挙を意識した対外的な強硬策(中国の貿易問題や様々な国への制裁関税、外交面でもタカ派傾向を強める人事発令など)による市場の不安、
トランプ大統領が基本的にドル安を望んでいて、ドル高牽制発言も多いことも無関係ではありません。
こうしたトランプ大統領の意向が、リスクオフから円高要因を高めていて、それが今のレンジ相場に結びついているのです。

こうした状況も踏まえて、今後の為替の値動きを予想すると、少なくとも中間選挙までは、こうしたレンジ相場が続くと思われます。

中間選挙の結果、今の政治体制が維持されるのであれば、ドル高トレンドに入ることが予想されますが、共和党が議席を失い、トランプ大統領への弾劾危機が高まれば、一時的には、政治的混乱からのドル安が広がるでしょう。

とはいえ、アメリカ経済が引き続き好調に推移しているのであれば、一時的混乱の後、長いスパンでみるとドル高が進んでいくのではないかと予想されますので、中間選挙後のドル安は買いといえるでしょう。

秋の中間選挙までは、大きなトレンドはなく、このままのレンジ相場で進んでいくでしょうから、システムトレードを行う方は、トレンドに強いロジックではなく、通常のレンジ相場時に強いロジックで取引を行う方がよいかもしれません。

また、中間選挙前後は、強いトレンドが発生する可能性がありますから、システムトレードを行っている場合は、一旦決済して手動での取引に切り替えた方が無難でしょう。

シストレクラウドをお使いの方は、大きなトレンドが発生する場合に、一旦決済したい希望がある方は、下記FAQをご参照ください。
<保有ポジションを全決済する>

中間選挙後の市場はどう動く?

トランプ大統領は、FOXニュースの単独インタビューを受けた際に「私を弾劾することなんてできない、やったら市場はクラッシュする」という発言をしていますが、現在のアメリカ経済は、利上げを継続していることからも示されるようにトレンドを上回る成長を続けています。

本当にトランプ大統領が弾劾されると市場はクラッシュするのでしょうか。

有識者の多くは、もし、本当に弾劾されたとしたら、市場は好感するだろうと見ている人が多いです。一時的には、ポジションの巻き戻しが起こる可能性は高いでしょうが、閣僚は優秀ですし、後継になるであろうマイク・ペンス(副大統領)は手堅い仕事をすると予想されています。

「ドナルド・トランプが明日辞任すれば、ダウ平均は1,000ポイント上がるだろう。マイケル・ペンス大統領と共和党こそ人々が望むものだ。」<byジェレミー・シーゲル教授>という人までいるのです。

いずれにせよ、辞任や解任の頻発や側近の逮捕など政権が不安定な状態にさらされ続けるよりも、政権が安定する方が市場にとってプラスであると考える人が多いようですね。

まとめ

中間選挙はもう間もなくです。
そこまでは為替市場も現状を維持した動きを見せるでしょうが、それ以降の流れは、選挙結果によって変わってきます。
本当にトランプ大統領が弾劾される可能性が出てくれば、為替の動きはもちろん世界経済・政治になんらかのインパクトがあることは必至でしょう。11月までは、アメリカの政治の動きに注目していく必要がありそうです。