暴落が話題のトルコリラ!今は買い時?今後を読み解く

先月の大暴落で話題となったトルコリラ。
金利の高さからトルコリラを多く保有していた人は、大きな損失を被ったといわれていますが、そもそも、なぜ、トルコリラの暴落は起こったのでしょうか。そして、今後のトルコリラはどう動いていくのでしょうか。
そんな素朴な疑問を解き明かすためにも、今日は話題のトルコリラショックを読み解いていきます。

そもそもなぜトルコリラの暴落は起きたの?

8月の暴落以降も相場変動が激しいトルコリラですが、そもそもの暴落のきっかけは何だったのでしょうか。

8月10日にトルコリラが20%下落して、底割れした歴史的大暴落の直接的な原因は、アメリカとトルコとの政治的な問題にありました。

7月にトルコで拘束されたアメリカ人宣教師の解放を要求するアメリカが、それを拒否するトルコに対して、経済制裁を発表しました。

それに対してトルコ側もアメリカの鉄鋼・アルミニウムの関税の報復を発表するなど強硬な姿勢をみせたために、アメリカ側からのさらなる制裁発表を受けることとなり、市場のトルコ側への悲観的な見方が20%の暴落という歴史的な大暴落へと繋がっていきました。

年初から比較すると40%も下落しているリラ

実は、8月だけで20%下落しているリラですが、年初から比較すると40%も下落しています。これ、円で考えると1ドル=100円だったのが、1ドル=140円になるくらいの大きなインパクトですから、経済全体の影響も推して知るべしというところなのですが、

そもそもの年初からの下落にも、アメリカが絡んでいるという伏線があっての宣教師拘束の問題が浮上しています。
いきなり、たった一人のアメリカ人を巡って世界経済を混乱させる事態に陥ったわけではないということです。

中東情勢を巡ってアメリカとトルコは対立関係

クルド人に武器支援をしてシリアのISを一掃したいアメリカとクルド人テロ組織PKKを支援したくないトルコは、中東情勢を巡って明確に立場が異なりました。
そんな中、クルド人への武器支援を続けるアメリカに対抗して、トルコがロシアから武器を購入するという事態になり、関係は更に悪化していきます。
その結果、昨年の10月からお互いの国のビザ発給が停止されたという、元々の背景があった上で、今回の宣教師拘束問題から、経済制裁が発せられています。

つまり、下落に向かう伏線は、政治を見ていくと昨年からはられていたということです。

スワップで稼げるには、それなりの理由がある

ずばりいいますと、トルコ経済は決してよくないのです。
国内のインフレ率は毎年10%以上ですし、国際貿易は赤字です。
その上、今回の暴落の背景にもある中東と隣接しているため地理的・政治的なリスクもあります。

つまり、トルコリラは、スワップで稼げる通貨として名をはせていますが、スワップポイントは、金利差で付けられるものですから、スワップポイントが高い=それだけリスクがあるということなんですよね。

そして、政策金利によって市場は上下します。

6月にトルコ中央銀行が政策金利を1.25%引き上げて17.25%になったときは、1トルコリラ24.5円前後の高値をつけていますし、7月の大統領選挙で現職のエルドリアン大統領が当選し、利上げが予想される中、金利が据え置かれたことで、大幅にトルコリラが下落するということが起こっています。

トルコリラに限らず為替投資をする際のポイント

為替投資、特にマイナー通貨への投資を行う際にみるべきなのが、
①対ドルのレート②対日本円のレート

<米ドルとトルコリラのレートの年単位の表。リラが米ドルに対して、一貫して下がり続けていることがわかります>

まず、なぜ対ドルのレートをみるべきかというと、世界の基軸通貨である米ドルを基準に加えることで、その通貨に何が起こっているのかを把握する材料になります。
裏にあるなぜその変動があるのかを把握しておくと、いつが引き上げ時なのか、買い時なのかを見極めることにも繋がっていきます。

当然、為替投資を行う際に対日本円のレートをチェックしない人はいないと思いますので、対ドルレートとの2軸で把握しておくことで、世界で何が起こっているのかを知る手がかりになるでしょう。

今後はどうなる?トルコリラ

1日の中の値動きも激しく、政治的な不安要素も収まっていないトルコリラですので、乱高下相場になりやすい状況です。
デイトレードで稼いでいる方からするとチャンスの相場でもあるといえます。
ただ、本日現在17円〜18円前後という値を付けているトルコリラ、一時15円台まで落ちたところから持ち直しています。

理由としては、大統領の利下げ圧力にも屈せず、トルコ中央銀行が発表した利上げが大きく功をそうしているといえそうです。また、EU加盟国であるトルコにはヨーロッパの各金融機関も多額の資金をいれていますから、リラがデフォルトされるとかなり困るという事情もあります。

そういったことを踏まえて今後のリラですが、19円から20円への回復は見えてきているのではないかと思われます。ただし、リラ暴落の引き金となった政治的なリスクについては何も解決していないため、あくまでも短期的な売り買いに終始する方がよさそうです。