【フィンテックビギナー日記:閉ざされた世界で躍進するAI技術③】

前回の閉ざされた世界で躍進するAI技術②では、世界中の金融市場で超高速ロボトレーダーが活躍していることをご紹介しました。

そこで、今回は、優秀な超高速ロボトレーダーの活躍することが、なぜ、ヘッジファンドを潤すことに繋がっているのか、についてお話したいと思います。

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人間では対応できないようなスピードで取引できるロボトレーダーたちは、主に「先回り」と「マーケットメイク」によって、巨大な富を作り出しています。

「先回り」とは、複数の取引所へオーダーが到着する時間に差があることを利用し、最初に取引所に到達した注文情報を基に、遅れたタイミングで別の取引所に届く注文を予想し、先回りして注文することで上前をはねるという、ロボトレーダーならではの手法です。

一方、「マーケットメイク」とは、市場の動きに連動して、継続的に売りと買いの価格提示し、そのスプレッドで収益を得る戦略です。ロボトレーダーは、対象株式以外に市場全体の状況も瞬時に分析し、高速で提示価格の調整を行うことで、より高いスプレッドの獲得を可能にしています。

その他、経済指標やニュース発表後の相場を予測し、超高速取引することで収益を獲得する「イベント戦略」と呼ばれる手法もあります。最近では、ニュースに対しての反応を人工知能で予想することも増えているといいます。
トランプ大統領の長男がロシア関連メールを公開したことによって起こったフラッシュ・クラッシュで、ロボトレーダーの与えるインパクトの大きさを実感した方も少なくないかもしれません。<https://www.nikkei.com/article/DGXMZO18756850S7A710C1000000/
日本経済新聞Web 参照

FX取引が行われている各電子取引ネットワークでも、当然、超高速ロボトレーダーは活躍しています。流動性が高い市場ほどデイトレーダーにとっては利ざやを稼ぐ機会が多いありがたい環境といえますが、実は、裁定の機会が多ければ多いほど、超高速ロボトレーダーの特性である、高速分析・注文が活きてくることになります。そのため、デイトレーダーにとっては、FX市場は、魅力的な場であると共に、非常に強力な競合相手がいるレッドオーシャンである、とも言えるでしょう。

written by Poco